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 コンクールに応募したら、作品の著作権は奪われ、作品も返却してもらえない。時には、作者の意に反した改変も受け入れなければならない。よくあるそうしたコンクールの応募要項に対し、批判の声が高まっている。そうした規定は「不適切」とする声明を美術分野の8団体が4月に発表し、その後、政府の主催するコンクールなどでも、規定を見直す動きが出てきている。

 応募作品の著作権は、主催者に帰属します――

 美術に限らず、さまざまなジャンルのコンクールで、応募の際に著作権の譲渡を求めることは一般的だ。その場合、落選したとしても、作者はその後、自身のSNS、ホームページなども含め、その作品を自由に使うことができなくなる。

写真・図版
雑誌「公募ガイド」に掲載されている応募要項。応募時に、著作権などを主催者に帰属させる規定は多い(画像を一部加工していま

 日本美術著作権連合、日本美術家連盟や、日本児童出版美術家連盟など、美術分野の8団体は4月に声明を発表し、こうした規定の問題を指摘した。

 千葉県に住む40代のスタイリストの女性は、2年ほど前、ファッションを写真に撮って応募する、服のスタイリングコンテストに応募しようと考えた。

「内閣府に対し、権利の主張を一切行わないものとします」

 だが、著作権などが主催者に…

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